トップメッセージ

 当社が属する食品食材卸業界においては、業界構造の変革が急速に進んでおり、卸の介在価値が問われています。また、物流コストの継続的な高騰も利益の確保することが難しく、ビジネス上の深刻な脅威となっています。

 このような環境の中、新しい技術を積極的に導入し、アナログな業務プロセスをデジタルへ移行することで、大幅な生産性向上による、変化に強い企業体質を築きます。また、食を通じたヘルスケアの分野でもデジタル技術やデータを活用することで事業機会の拡大を図っていきます。

 私たちは、デジタルトランスフォーメーション(DX)の実現を通じて、経営ビジョンである「Feeding the World」(“食のすべて”を送り・社会を生かす)の実現を目指していきます。

代表取締役会長 吉田 英司

経営ビジョン

 当社は「Feeding the World」(“食のすべて”を送り・社会を生かす)を掲げて、単なる食品の商社にととどまらず、食品の「製造」から「卸」、そして「配送」まで、サプライチェーン全体を一気通貫で担う総合食品サポート企業として、お客様へ安定した食の供給と付加価値を提供します。

 さらに、食品流通の枠を超え、食を通じたヘルスケアの分野でも積極的に新たな事業にも挑戦し、社会の持続的な健康と発展に貢献してまいります。

 また、新しい技術を導入することで、生産性向上や企業成長にも取組むとともに、顧客からの信頼や信頼できる社員を強みとして、事業環境や顧客ニーズの変化などに、常に適切に応えていく企業を目指していきます。

DXに取り組む背景

 当社の食品食材卸業界では、業界構造の大きな変化に直面しています。食品メーカーや大規模な生産者が、卸売業者を通さずに直接販売する取引が増えており、卸(おろし)の介在意義そのものが問われ始めています。加えて、物流業界の『2024年問題』の影響で、物流コストの継続的な高騰が起きており、利益を確保することが非常に難しい、深刻な脅威となっています。

 一方で、受発注や在庫管理といった幅広い業務でデジタル活用によるDX実現の機運が高まっています。前述した脅威の克服とDX実現に向けた機運の高まりは当社がDXに取り組む大きな契機となっています。

DX実現のための具体的な戦略

 代表取締役会長とDX推進リーダーが主体となり、金融機関等の外部の支援者やITサービスの提供者と連携しながら、IT情報を収集し、社内での検討・協議を深め、当社のDX戦略に最適なデジタル技術の導入を進めます。

【基本方針】

食品食材卸事業においてアナログで実施している受発注業務のシステム化を実現します。
食品食材卸事業においてデータを活用した需要予測により在庫最適化を実現します。
患者食提供事業では、ナレッジマネジメントの仕組みを導入して売上拡大を実現します。

【具体的な施策】

受発注業務のIT化

  • ノーコードツールを活用し、Excelによる在庫管理をシステム化します。 これにより、データの二重入力や転記作業を排除し、人為的なミスを削減するとともに、複数人での同時利用を可能にして作業効率を向上させます。
  • FAXで受け取っている受注情報をOCRツールでデジタルデータに変換することで、受注・売上計上業務の業務時間と入力ミスを大幅に削減します。

買掛照合の効率化

  • 買掛照合のツールを導入して照合の作業時間の削減を図ります。

在庫の最適化

  • 社内データと外部データを統合したデータの整備を行い、需要予測ツールを用いて最適な在庫を算出します。また、中期的には最適な在庫からの自動発注できるようにします。買掛照合のツールを導入して照合の作業時間の削減を図ります。

営業力強化

  • ナレッジツールを導入して、営業資料や競合情報以外にも、営業ノウハウや商談の動画などもトランスクリプトツールでテキスト化を行い、営業担当者で共有できるようにします。また、中期的には全社でのナレッジ共有まで拡大させる考えです。

【データ利活用施策】

販売管理システムに蓄積されている販売管理データ(受注、販売、商品、顧客など)、在庫管理システムの在庫データ、外部データ(天候、イベント、トレンドなど)を用いて、最適な在庫量を算出できる需要予測モデルを作成します(需要予測ツールを活用して実現します)。

営業力を強化するために、ナレッジマネジメントツールを用いて営業資料(提案資料など)、営業ノウハウ、競合情報、商品情報、顧客情報などを営業担当者間で共有して、現場で活用ができるようにします。特に、営業ノウハウ(商談動画やベテランの知識)についてはトランスクリプトによるテキスト化を行い共有します。

【ITシステム環境の整備】

 代表取締役会長とDX推進リーダーが主体となり、金融機関等の外部の支援者やITサービスの提供者と連携しながら、IT情報を収集し、社内での検討・協議を深め、当社のDX戦略に最適なデジタル技術の導入を進めます。
 具体的には以下のようなデジタル技術の導入を進めます。

受発注業務のIT化
現行のEXCEL管理から移行が容易なクラウド型のノーコードツールを用いて在庫管理システムの開発/移行を行います。また、アナログデータをデジタルデータに変換するためのOCRツールを導入します。

買掛照合の効率化
紙の請求書を電子化できる機能を持った、クラウド型の買掛照合ツールを導入します。

在庫の最適化
クラウド型の需要予測ツールの導入を行うとともに、需要予測で必要となる社内データと外部データによる統合データ基盤(データベース)を構築します。

営業力強化
共有する情報・コンテンツの検討および作成を行いつつ、並行して情報の検索や共有がスムーズにできる、ナレッジ共有・活用型のナレッジマネジメントツールの導入を行います。

【戦略実現に向けた指標】

2026年:第4四半期
「受発注業務のIT化」への対応として、ノーコードツールを導入して、在庫管理のシステム化を実現します。

2027年:第1四半期
「受発注業務のIT化」への対応として、OCRツールを導入し、受注情報のデジタル化を実現します。

2027年:第2四半期
「買掛照合処理の効率化」への対応として、

  • 照合を効率化するための「発注No」を取引先の請求書に表示できるようにします。
  • 買掛照合ツールを導入して、紙の請求書をデータとして扱えるようにします。
  • 買掛照合ツールを導入して、照合処理の機械化を実現します。

2027年:第4四半期
「営業力強化」への対応として、

  • 共有するナレッジの整備を行います(ノウハウ、知識、商談内容、など)。 
  • ナレッジツールを導入して、営業担当者が現場で活用できる環境を構築します。

2028年:第4四半期
「在庫の最適化」への対応として、

  • 需要予測で活用する社内データおよび外部データを整備します。
  • 需要予測ツールを用いて、需要予測モデルを作成します。
  • 需要予測による在庫の最適化の運用を開始します。

DX推進のための体制/人材育成

【体制】

 代表取締役会長の主導のもと、DX推進リーダー(取締役統括部長)と連携しながら業務横断でDXを推進していきます。

 加えて、専門性の高いデジタル技術の活用に際しては、社外の専門家やベンダーなどとの協力が不可欠となるため、金融機関等との連携により外部コンサルを活用して体制を強化するとともに、取り組みの継続性を確保することで、社員全体のITリテラシーをさらに高めていきます。

【人材育成】

 代表取締役会長とDX推進リーダーを中心に、各部署のデジタルツールの活用ニーズを確認し、さらにITサービスの提供者など外部からの支援を通じて、業務知識とデジタル技術の両方に精通するDX人材の育成を図ります。